「減価償却って何?聞いたことはあるけど、、」
「まず、減価って何?」
となりますよね。
減価償却とは何か、減価償却する必要性を説明します。
この記事を読んでもらえたら、減価償却という言葉を敬遠することは少なくなります。
ですので、最後まで読んでみてくださいね。
減価償却って何?
減価償却とは、建物、機械や車などの有形固定資産や、ソフトウェアや特許権などの無形固定資産など、長期にわたって使用する固定資産を購入した費用を、時間の経過に合わせて費用計上することをいいます。
つまり、減価償却の対象となる資産については、取得した段階で全額を費用計上するのではなく、資産を使用する期間で按分しながら計上することになります。
減価とは、価値が減っているということです。
建物などは、長年使っていると、劣化していきますよね。
つまり、価値が下がっているということになります。
減価償却って必要あるの?
減価償却をしないと、取得した段階で全額費用計上することになります。
そうすると、正しく利益計算ができなくなります。
わかりにくいと思いますので、例を挙げてみたいと思います。
かず吉商店は建物を3,000万円で購入しました。この建物は30年使用する予定です。
1年目の売上は1,000万円、費用(建物以外)は700万円でした。
2年目の売上は1,500万円、費用(建物以外)は1,100万円でした。
3年目の売上は1,800万円、費用(建物以外)は1,300万円でした。
1年目の費用は700万円+3,000万円の3,700万円となり、利益は売上 1,000万円ー費用 3,700万円の2,700万円の赤字でしょうか?
それとも700万円+100万円(3,000万円÷30年)の800万円になり、利益は売上 1,000万円ー費用 800万円の200万円の黒字でしょうか?
どちらが正解? | ||||
売上 | 1,000 | 1,000 | ||
費用(建物以外) | 700 | 700 | ||
建物の費用 | 3,000 | 100 | ||
利益 | ▲2,700 | 200 | ||
大赤字! | 黒字! |
簿記での考え方では、減価償却を実施しますので、建物の費用は100万円となります。
つまり、表の右側が正解になります。
2年目の費用は1,100万円+100万円の1,200万円、利益は売上 1,500万円ー1,200万円の300万円の黒字、3年目の費用は1,300万円+100万円の1,400万円、となります。
2年目 | 3年目 | |||
売上 | 1,500 | 1,800 | ||
費用(建物以外) | 1,100 | 1,300 | ||
建物の費用 | 100 | 100 | ||
利益 | 300 | 400 | ||
黒字! | 黒字! |
つまり、減価償却をしないと、固定資産を購入した年の利益が著しく悪化することになります。
減価償却することにより、購入費用を使用する年数で按分することで、正しい利益を計算することができます。
減価償却の対象となるものは?
減価償却の必要性を説明しましたが、減価償却する対象について説明します。
減価償却の対象となる主な資産は、、
- 建物(例:家屋)
- 建物附属設備(例:エレベーター)
- 構築物(例:駐車場の柵)
- 機械装置(例:機械)
- 工具器具備品(例:事務用の机)
- 車両運搬具(例:自動車)
- 無形固定資産(例:ソフトウェア)
などです。
土地は減価償却の対象外となっています。
なぜなら、長年使っても価値は下がらないと考えられるためです。
減価償却の計算方法は?
減価償却費は、耐用年数と償却方法により計算されます。
耐用年数とは、固定資産が何年使用する予定かを事前に決めておき、その期間で按分し、計算する必要があります。
償却方法は、定額法、定率法の2つが主に使われています。
税法で定められている耐用年数、償却方法を使用するケースが多いですが、会計の処理と税務の処理が不一致となり、税務調整が必要な場合があります。
(難しい内容になりますので、パスいただいて問題ないです。)
税法で定められている耐用年数は下記のリンクのような耐用年数表で確認できます。
https://www.city.fujieda.shizuoka.jp/material/files/group/130/taiyounensuuhyou.pdf
法人税法で償却方法も定められています。(法人税法第48条、第48条の2)
こちらも耐用年数と同様の理由で、定められています。
- 定額法:建物、建物附属設備、構築物、無形固定資産
- 定率法:機械装置、工具器具備品、車両運搬具
ただ、法定償却方法ではなく、異なる償却方法で減価償却費を計算することも可能です。
届け出すれば税金計算でも、認められています。
(難しい内容になりますので、パスいただいて問題ないです。)
まとめ
今回は、減価償却とは何か?、減価償却の必要性について、説明しました。
そして、減価償却の計算例、減価償却の対象範囲、計算方法について説明しました。
減価償却とは、長期にわたって使用する固定資産を購入した費用を、時間の経過に合わせて費用計上することをいいます。
正しい利益を計算するために、減価償却が必要です。
その理解の一助になればと思い、まとめました。
ブログをご覧いただきありがとうございました。
減価償却費以外の会計処理のブログも上げていますので、そちらもご覧いただけると嬉しいです。
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