「先物取引って何?聞いたことはあるけど、、」
先物取引についてはこちらの記事で説明していますので、下記をご覧ください。
【デリバティブって何?】聞いたことはあるけど、馴染みのない言葉をわかりやすく解説します! – かず吉ブログ
この記事では、先物取引の会計処理について説明します。
この記事を読んでもらえたら、先物取引の会計処理について敬遠することは少なくなります。
ですので、最後まで読んでみてくださいね。
デリバティブの会計処理
先物取引(買建)
前提条件
①X1年3月1日:同年6月限月(決済期限が6月)の国債先物1,000千口を1口95円で買建て、委託証拠金として3,000千円を差し入れた
②X1年3月31日:決算日。国債先物の時価は1口96円であった。
③X1年4月1日:前期末に計上した評価差額について洗替処理を行った。
④X1年5月31日:反対売買による差金決済を行った。なお、国債先物の時価は1口99円であった。
①:X1年3月1日における仕訳
委託証拠金を差し入れたX1年3月1日の仕訳で示すと次のようになります。
委託証拠金は決済時に返還されるため、資産計上します。
②:X1年3月31日における仕訳
時価変動を決算日に反映させます。
95円で購入できると約束しているものが、96円で売却可能であるため、
1,000千円(=1,000千口×(96 – 95))の利益を計上することになります。
③:X1年4月1日における仕訳
前期末で時価評価したものを洗替します。
④:X1年5月31日における仕訳
差金決済時のX1年5月31日の仕訳で示すと次のようになります。
95円で購入できると約束しているものが、99円で売却可能であるため、
4,000千円(=1,000千口×(99 – 95))の利益を計上することになります。
4月1日の洗替処理があるため、X2年3月期の利益計上額は、3,000千円(=4,000 – 1,000)です。
差金決済と同時に、委託証拠金が返還されます。
先物取引(売建)
前提条件
①X1年3月1日:同年6月限月(決済期限が6月)の国債先物1,000千口を1口95円で売建て、委託証拠金として3,000千円を差し入れた
②X1年3月31日:決算日。国債先物の時価は1口96円であった。
③X1年4月1日:前期末に計上した評価差額について洗替処理を行った。
④X1年5月31日:反対売買による差金決済を行った。なお、国債先物の時価は1口99円であった。
①:X1年3月1日における仕訳
委託証拠金を差し入れたX1年3月1日の仕訳で示すと次のようになります。
委託証拠金は決済時に返還されるため、資産計上します。
②:X1年3月31日における仕訳
時価変動を決算日に反映させます。
95円で購入できると約束しているものが、96円で売却可能であるため、
1,000千円(=1,000千口×(96 – 95))の損失を計上することになります。
③:X1年4月1日における仕訳
前期末で時価評価したものを洗替します。
④:X1年5月31日における仕訳
差金決済時のX1年5月31日の仕訳で示すと次のようになります。
95円で購入できると約束しているものが、99円で売却可能であるため、
4,000千円(=1,000千口×(99 – 95))の損失を計上することになります。
4月1日の洗替処理があるため、X2年3月期の損失計上額は、3,000千円(=4,000 – 1,000)です。
差金決済と同時に、委託証拠金が返還されます。
オプション取引
オプション取引は、別の記事で解説します。
【オプション取引って何?】聞いたことはあるけど、馴染みのない会計処理をわかりやすく解説します! – かず吉ブログ
スワップ取引
スワップ取引は、別の記事で解説します。
【スワップ取引って何?】聞いたことはあるけど、馴染みのない会計処理をわかりやすく解説します! – かず吉ブログ
まとめ
今回は、先物取引の会計処理について説明しました。
先物取引は、頻出の論点ではないと思いますが、たまに見かけることがあると思います。
その際に有用となるようにまとめさせていただきました。
先物取引は、契約時の会計処理はあまりありません。
今回の事例では、差入証拠金のみを計上しました。
決算時、決済時に時価の変動分を会計処理します。
ブログをご覧いただきありがとうございました。
先物取引以外の会計処理のブログも上げていますので、そちらもご覧いただけると嬉しいです。
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